ナナメの構図

私の絵、カメラ

ニコマートを買った時以来ですから、40年ぶりに写真雑誌を買いました。¥1000¥Earth is horizontal, the us toward the heaven stand perpendicular to the ground. Photo art is made up by cutting the space there as the three-dimensional to two-dimensional.

あのアサヒグラフならぬアサヒカメラは今もありましたが、A4版の大判で「デジタルカメラ」です。今頃、趣味で写真をやろうとする者、デジタルカメラにきまってますヨ。

ですので、カメラの紹介誌でなく間違いなく写真雑誌でありました。 熊さんお薦めの「ナナメの構図:30ページ」は、立ち読みで看破するに長すぎるのですが、何より今月の優勝賞の写真がなんとスマホでの撮影ですと! このアマチュア向けの写真雑誌はデジタルカメラとうたい、写真のデジタル処理が撮影とセットであるのでした。

「RAWで撮って現像」は知ってはいましたがやっていませんし、「写真は趣味にならない。」と嘆く前に、「建築写真」を離れて見てみましょう。と購入でした。 読むだけではどうしようもなく、やってみなければならないのでしょうが、NYでの写真が手元にイッパイあるのでそれをあてはめて、、、みます。

表紙 ナナメの構図

タマボケの観覧車が表紙ですので、いかにものナナメです。

ナナメに合う構図は間違いなく放射です。線路・高速道路など、見上げ見下げでナナメに消点に向かう線があるのが画法に合っていまし、レンズは当然広角レンズです。

PC35,PC28、20mmと広角レンズで建築も街も人も料理も撮り続けてきていて、ハテ?と根本疑問につきあたったのでした。

「わざとあり得ない形をすこし作って、いつもとは違う感情をひき出す。」と、車の写真を撮るプロが言っていました。

この大きな写真がスマホ撮影だとは。連写を合成して、画調を調整しているのだそうです。(驚:
これでは、わざわざナナメにする事はない。ナナメの構図は、はばっちのテーマですな。
絵画は、レオナルドダビンチ以来透視図法を利用していますし、同時に透視図だけのそのままの絵はないでが、あえて水平線を15度振るような「広重の夕立」のような絵画は西洋にはありません。
抽象画を作者の意図と上下さかさまに懸けていたという笑い話はありますが。

そう、現実空間と切れない、その上に成り立つ芸術である写真ならではのナナメとは「わざとあり得ない形をすこし作って、いつもとは違う感情をひき出す。」です。

建築の形がなんにもできてない所に、あたかもあるように見せる完成予想図=透視図を長い事生業としてきた私には、撮れないと長い間思っていました。が、実は振り返ると撮っていましたネ(ニヤリ: 

ナナメの意図は、4つから。簡単テク。

この本では4つに分けてテクニックを示していますが、10人のプロの例示から見ると、5番目がありますね。ポートレートです。
5番目から順に遡って、私の写真から探しましょう。(😊)/ 

5番:ポートレート(花の接写も)

探しましょう(😊)/と、言っておいてこれでは、、、なんとも情けないですが、NYではyomeしか写していませんのでパスです。

花ならイッパイ撮影してますが、目線が花にないポートレートならではコツです。

主役が空間を必要とせず、その背景としてどうあれば効果的か、望遠レンズのぼけで空間を消してしまいますので、テクニックの4つには入れなかったのでしょう。 

4番:食卓(不要なスペースを消す)

正対するだけでは、おいしく見えないのでFBを始めてから自然と撮っているナナメですが、不要なスペースを消すためとは認識していませんでした。斜めにしないと主体が迫ってこない。グラスが傾くのは、上から撮影すると意外と気にならないとやっていました。このように雑誌に書かれていると、「そうなのよ。エヘン。」です。
この続きで、スーパーの野菜棚なんかもナナメです。ナナメの効果は静物を動かす事。本来動きようのない野菜たちにリズム感が出てきて買い物が楽しげになります。

3番:車、動きと立体感を作る。の1

このオープンは人が乗っていません。とまっていますね。動いているような感じになるようにソフトでナナメにしてみました。車雑誌をみれば、ナナメが車の常とわかります。しかも、そこの横に美女をたたせています。
ポートレートでは美人だけナナメですが。車の見本市では共にナナメですので、さすが車のプロです。

3番:人・まちなみ、動きと立体感を作る。の2

スナップの世界では、ナナメに撮れてしまうのが当たり前です。35mmぐらいでしょう。一応広角レンズではありますのでレンズ周辺部への注意は必要ですが。

私は10~24mm(15~35mm)の大広角を街撮りの常用としているので、気持悪くならないように建て物の倒れ具合を無意識に判断して撮っているはずなんですよね。
しかし、この写真だけは「衝動」でしたね。消点があがり、建て物の倒れよりズンズン歩いてくるNYっ子の感じが出せました。ナナメのぐわいは無意識です。

3番:デフォルメ、動きと立体感を作る。の3

しゃがんで、見上げてナナメにしています。食卓が見下ろしているのと逆ですので、4番の不要なスペースを消すのでなく、画面の中にいかに空間(アキ)を作るかといえるし、その周りのナナメ線の方向とデフォルメ中心との関係を見ると5番のポートレートと同じともいえましょうか。

この辺がナナメの構図とは3番だけだとも、言えるところです。写真雑誌では「パース」というようですが、この言葉はわたしたちの業界では、いや一般的にも「透視図法」を指しますので、丁寧な説明が要りましょう。パース=デフォルメが雑誌にある写真用語に近いと思います。デフォルメしざるを得ない広角レンズですので、それを上手に利用するテクが写真にはいると言う事です。 

人が首をかしげても、空間は曲がりません。そこに厳然としてあるものです。人の脳はそのように理解しています。2次元の写真にしてのナナメ線なのです。それが、芸術になるのでしょう。
私の写真ではないですよ。私は基本、水平・垂直の建築写真で芸術の端にある建築を撮影する、です。

2番:高さを強調する

建築ですと、ある程度の高さがいります。3番のような彫像とは違います。
これは、マンションの販売用のパースにも使われるようになりました。普通は大地に並行に画面をとり、消点は右左に2つですが、このように上も加えて3つとなります。

1番:道や建築の直線をナナメにして、遠近感を強調する。

日曜日に、わざわざ3脚を使い、丁寧に撮ったのが左で、間違えたと補正したのが右です。で、思うに、私が自覚せずに撮っちゃうところにもナナメがあった。です。
雑誌には、2つの例が示されていますが、これは私には絶対にできません。
キリコの絵は絵だから2消点をずらせますが、写真では、見る人の気分を害さずまとめるのは大変難しいです。この雑誌の例はわたしには気持悪いです。それは仕事上そうなりますわね。

http://kuma-san.sakura.ne.jp/
をおじゃまして、管見しましましたが、長い影の綺麗な写真が印象的に残っていましたので、あるかと思っていましたが、影が長いだけで影を作るモノは基本、水平・垂直でした。

1番:ナナメにして遠近感を強調する。

一番好きな熊さんの写真です。

道や建築でなく、画面を対角線によぎるナナメの影が主役です。自転車のフレームを見ると、ナナメ上からと撮っていますので、3番のデフォルメの分類の方が正しいのでしょうか?しかし、影の長さはデフォルメではありません。
ナナメがもたらす情緒的なものがある。それは、動き・不安定な事による。が、2番から5番まで共通でした。
影は実体として地べたにありますが、その元の実態は別にあり、時間と共に影が変ってゆくというは頭でわかっていても、わかってはいても朝夕のその歪みは情緒的な力を持っている。

ナナメの構図から影の魅力に話題がずれました。しかし、垂直な影では面白くないでしょう。やはり「遠近感に関係なく」でもナナメは「強調」のテクニックであり、影の魅力を生かすにはナナメが良い。というところが落とし所でしょうか。

追加:この写真の魅力には、アースカラーの色調、上にボンヤリ影、楕円の魅力、古式の自転車etc,イロイロ重なっていることもつけ加えておかないと。

雑誌編集者は30ページのウチの20ページを10人に与えて同一の書き方で統一しようとしていますが、その前のまとめ方が間違っており可能な限り指摘しておきました。

写真雑誌の持っている根本的悪弊がありました。

「現実の複製のうえの芸術である弱気」「パースと呼びならわす悪弊が透視図法と混乱を生んでいるのを知っていても、いくらバカにされても、ナナメしかない構図での芸術性=デフォルメ」「レンズが持っている特性は撮影者は変えられない。いくらPCで現像できるといっても。」

しかし、しかし、素人1200名からの投稿による所の優勝は凄い。アマチュアの方が編集者の上をルンルン遊んでいると思いました。そちらで買いました。これは趣味としてチャレンジできるかもです。

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