2進法からパソコン能力を理解 2000年10月

デジタル

仕事でコンピュータを使い始めたのは半世紀前、入社した1975年からでした。IBMの大型電子計算機に日影図を書かせ、避難シミュレーションをしていたのでした。設計図をコンピュータで書くのはオペレータであり、デスクの上のノートパソコンは管理業務用だったのですが、2000年に、パソコンが一人一台あてがわれ、管理業務だけでなく、スケッチ、図面も自分でパソコンで書くようにとなったのでした。学生は学校でもう使っていますからよいですが、48歳の私は一から復習です。一人ではできないので、テーマを部下に振り分けました。バブルがはじけ、21世紀はこんな風に始まりました。

パソコンのカタログには数字がいっぱい。わかるために2進法です。

コンピュータ用語は、英語をそのままカタカナにしているので困ります。英語のままの方が辞書も引きやすいのですが、カタカナにされていてわかりません。カタログにある、数字とその数字の単位もわからなく、性能がどの程度に良いのか。必要な性能があるのかどうかもわかりません。
私は動画編集をおこなわず、クラウドでデータ保管ができるようになったので、パソコンは2010年の性能で良いのですが、1985年に初めて自分用を手元に持ち、2000年に31万円でWindows98を買って以来、今も買い換えています。

はじめは、2進法(Binary Digit = bit)から

パソコンが電気の入り(1)切り(0)の2進法で演算をしているのは理解はしている。が、私たちは10進法の世界の感性でしか分からないのでパソコンの性能を表現する数字も10進法で表現されている。2進法と10進法の話は単純計算だけはめっぽう速いが人間の感性には程遠く、限界を持つパソコンの話の始まりにふさわしい?いくらパソコンの計算速度を早くしても、計算なんかしなくてもカンで判断して次の行動に移り目標を達成してしまう人間にかなうものでない。ソフトのメニューの多さとマウスクリックの入力のたやすさに惑わされることなく、自分が使えるところのパソコンの性能の限界をつかもう。

 今こうしてワープロとしてのパソコンに向かっているが、キーボードを打つスピードは手書きの10分の1。一方、文字の出てくるスピードは漢字変換でつまずいても頭の中に浮かぶ文字列より10倍早い。結局、うんうんと唸りながら手書きで進めるのと同じスピードのようだが、私の悪筆も他人様が読む気になれる活字になり、同時に何人にも配れるところにパソコンの意味を感じ、まあ~できるだけ~使おうか!というところだ。仕事上のメモや、通常の打ち合わせ記録には使うものでない。私の文字をどうしても読まざるを得ない人へのもの、推敲を重ねる必要のないものにパソコンはつかわない(^^)

キロ(K)、メガ(M)、ギガ(G)

10、10、10  という10進法の10の3乗=1000倍で進む単位。パソコンの性能表現によく出てくるが、2進法からの翻訳がある。

10=1,024 を 103 =キロ(K)としている。1000単位で繰り上がる性能の素晴らしさはだいたいでよい。そう人間的な感覚。

20=1,048,576      ≒10=メガ 漢字で表すと100万。

30=1,073,741,824  ≒10=ギガ 漢字で表すと 10億。

パソコンの性能をじっとみると、容量・ボリュウムをあらわす単位だがこれは実にパソコンの最も得意とするスピードをより磨くのためのものであることが見えてくる。以外にも?スピードを人間の感覚に近づけるのがパソコンの発達史といえる。人間のカンは神業の次に早いので絶対にコンピューターはかなわない。
しかし、私たちの仕事上の算術計算では4ビットのパソコンの速度でも十分速い。月に人を送りこんだのは69年、4ビットのマイコンの生まれる2年前だった。
74年、私は大学の研究室で幅30センチ奥行き50センチという小型卓上計算機のネオンのようにオレンジ色に光る数字に目を輝かせていた。M(メモリ)のボタンもあったが使った記憶はない。構造の連中は大学の大型コンピューターの取り合いをしていた。プログラム言語はフォートランでやたら紙の無駄遣いをして有限要素法なるものに取り組んでいた。
アメリカではロケットの設計の為のオートキャドなるソフトが市場に出てきていたらしいが、私たちには、繰り返し計算が必要な解析のスピードにおいてでしか電子計算機の未来を想像できなかった。建築の設計において学会ではシステム化を試みていたが、設計の評価の部分で次のステップに進めないでいた。

ビット(bit)とバイト(Byte)

パソコンの世界で性能を表現する記号でよく出てくるbとBについて。

ビットとは、2進法の桁を10進法で示すための単位で(0)もしくは(1)で1ビット。2=あるかないかの2通りのデーターのみ。

4ビットとは2進法で4桁を示す。(0000)から(1111)までなので、2=16通りのデーターが扱える。インテルが71年に最初に作ったLSIは、7ミリ×19ミリのチップに2,300個のトランジスターをつないだものだった。10進法の計算は、0から9までがデータに乗ればあとはひたすら足し算を繰り返すプログラムにより、地球を秒あたり七回り半のスピードでやってのける。任天堂のファミコンも4ビットからだった。

バイトとは、8ビット。2進法で8桁を示す単位。32ビットは4バイトとなる。ビットをわざわざ8で区切るわけは、8ビットのLSIがCPUとして使われ、パーソナルユースのコンピューターすなわちパソコンになったことによる?

 75年に、今や世界一の金持ちビル・ゲーツがベーシックというプログラミング言語をパソコン用に開発し、売り込んだのが8ビットのインテル社のLSIを用いたパソコンキット「アルテリア」であった。ここから、インテル社のLSIとビル・ゲーツによるマイクロソフト社の世界征服話が始まる。

  パソコンのフルカラーが1,677万色というのも光の3原色にそれぞれ1バイトづつ割り振った結果とか。ここからも8ビットの基準性が感じられる。人の目に1,677万色の識別は意味がないと思うが。

  メモリにはバイト単位に、何番目のバイトであるかを区別するアドレス(番地)がCPUにより振られる。メモリはバイトが基準となっている。

=256通りのデーターが扱えると言うことは、キーボードの記号ひとつづつに対応できると言うこと。すなわち英語の世界では全てを表現できる!残念ながら、わが日本語は漢字かな混じり文であるので2バイト必要となる。

79年に設計部構造課の机のひとつがオルガンのような8ビットのパソコンに置き換わった。いや、まだパソコンとは言っていない。同期の永見が「ひとつの命令で扱うデータの長さが8ビット、アドレスは16ビット長なので216=2×210=64KBのメモリとなる。これはとんでもない進歩なのだ。」私は富国生命本社ビルの設計チームで避難シミュレーション、日影図を大型コンピューターで書いてもらっていたが、入力も出力も別世界のことだったので、永見が紙テープの上で一人マージャンをしていた記憶しかない。

82年には大阪支店でシャープ製の300万円の机型のワープロ機をさわっていた。ブラウン管に向かって和文タイプのごとく打ち込むのだからだれでもできる。

また、このころ同期の山尾が設計部のシステム開発に抜擢された。プログラムはできなくても、いや、できないからこそ必要な人材?企画設計―STEP1基本設計―STEP2実施設計―STEP3を10年がかりで開発していこうという今思えればとんでもない計画であった。漢字変換のプログラムからビル管理システムのベックスまで会社も多くの人材を投入したが、パソコン一人一台になってみるとその啓蒙機関としての功績も薄れてしまっていく。基本設計図をPC***型(他の多くの会社と同じくIBMパソコン)を端末機としてMS-DOS上の清水建設のプログラムで書けと言われた。端末は16ビットであっても、電話回線で大阪と東京を繋いでいるので画面に絵が出るのに時間のかかること!日影図は申請の為に、あらいパースの点取りがついでにとSTEP-1のみ16年もった。

CPUまたはプロセッサ

中央処理装置(Central Processing Unit) 。パソコンの心臓部であり、出始めた70年代はマイコンと言っていた。小さなLSI(集積回路素子)というチップにコンピューターがまとめられたのでマイクロコンピューターと言う意味である。コンピューターはカタカナ英語が次から次へと出てくる世界のようだ。これが初心者をとっつきにくくさせている一つなのは間違いない。

今は32ビット、85年から出てきた。その前は16ビット。78年に登場している。それぞれ一度の命令により処理できる情報を2進法のビット長で表している。

パソコン(Personal Computer)と一般的に言われるようになったのは,83年のアップル社「リサ」そして大ベストセラーになった84年の「マック」からでしょう。PCと言う言葉は、81年にそれまでは企業向けの大型コンピューターを販売の軸にしていたIBMが77年からの「アップルⅡ」の勢いを見て、どれどれとパソコン市場に参入する機種にPCと名づけたことによる。しかし、私には80年代中ごろと言えば、NECのPC98シリーズの勢いが鮮烈だ。いずれにしてもCPUが16ビットになってパソコンの花開いたと言える。

から216では2=256倍。216から232では216=65536倍。そう6万倍。

処理情報量でパソコンの進化を説明するととんでもない倍率になるが、ソフトを含めて何ができるか、何を主にしてきたかを言うとわかりやすい? 今、ウインドウズ98のOS上でマウスクリックを用いてワープロと表計算etc.を多重に作業しているが、これは84年の16ビット上で動く「Mac OS」でもできていたことなのにおかしい?インテルのチップとマイクロソフト社のMS-DOSの延長上では32ビットまで待たないとアプリケーションをより滑らかに動く事ができなかったと言う事?また、日本では漢字かなまじり変換だけに16ビットが必要という事?

NECの16ビット98シリーズは漢字パターンをチップに焼き付けて漢字かな混じり文を速くし日本市場を席巻した。ソフトで漢字かな混じり文を作るためには90年の日本IBMのOSであるDOS-Vまで待たないといけない。そう、漢字を美しく印刷するためのソフトも必要であった。85年には24×24ドットのぼこぼこ漢字を先進のコンピューターによるプリゼと示すためにわざと用いたこともあった。設計総務部に8インチのフロッピーをぶらぶらと持って通った。何でこの私がタイピストをしなくてはならないんだと文句を言っていた。タイトルは美しい写植なんだけど。

32ビットになって、パソコンは通信と結びつきパソコン通信が転じてイントラネット、インターネットと情報の扱いを変えた。人・物・金が資本の三大要素と言われていたところに情報が加わったのが10年前、情報は信用度より速さが優先しがちなので怖いところだ。マンハッタンのブラックマンディみたいなことはコンピューターならではの事例だ。

マルチメディアがインターネットで簡単にダウンロードできる。音楽。写真。動画はいまいちで、小さなサイズにして、画像を間引くソフトを使わないと重くて動かない。3次元キャドの進展は映画「スターウォーズ=エピソード1」をみればすごいが、今のパソコンではスケッチまでである。マルチメディアはデジタルテレビの衛星放送のほうが強そう。

マルチタスクは87年のアップル社の32ビットパソコンでのハイパーテキストによるツリー状のファイルの指定とオブジェクトによる文字情報の中への図形、写真、動画、音声の挿入の開発によって弾みがついた。ウインドウズ95は商売上手のMS社ビル・ゲーツがアップルをまねた。ソフトはより売れるハードにハードはより売れるソフトにつく、この相乗効果によって互換性を求める市場にMS社はすぐに寡占状態を作り出した。

なぜ、16ビットの次が24ビットのパソコンでなく32ビットに跳び、次は64ビットと言われるのか?ソフトの互換性(今までのデータも使えるように)を考えると回路の二倍コピーでないとだめなのか?メモリの割り振りは24ビット長すなわち16MBが限界というのがあったんだが。

パソコンの集積度は、LSI一個にトランジスターに換算して何個の素子が集積されているかで示す。今のはトランジスター1,000万個分、85年のは同じ32ビットでも27万個分。79年の16ビットでは3万個分。桁違いに多くなっているがひとえに速度のため。つぎつぎにだされる命令を先に回って制御したり、二つ以上の命令を平行して実行できる為に多くのトランジスターが欲しい。また下記に示すキャッシュもトランジスターを喰う。人に見えないところで働いて、個々のソフトを見た目に速く見せる手はインテルにも都合がよい。インテルは値段を下げずに常にでかい集積度のチップが売れる。同じ値段で次から次と出す戦略だ。LSIを作る技術は急速に進歩し続けている。止まったら負ける。98年に私たちが作った豊田自動織機の共和203工場はこのインテルの孫請け工場であった。製品開発のスピードはとてつもなく速く、実験場の拡大版が工場。

クロック400MHzとは、「命令」の実行のタイミングを決める時計回路の速度を示している。一秒間に4億回繰り返して出される方形波によって時計が進むのでパソコンのスピードに直接かかわっている。が、上記の79年の16ビットでも4MHzあったのに私のノートパソコン96年製でも133MHzにしかなっていない。集積度ほど目に見える速さに貢献しないのか?

キャッシュ(Cache,隠し場所)とは、CPUの中に次に必要になりそうな命令やデータをCPUより遅いメモリからあらかじめ読み出しておいて保持しておくための超高速メモリ。これが一次キャッシュで私のでは32KB。さらに二次キャッシュもあり128KB。大きなキャシュがCPU内にあることがいまや普通のようであるが、より遅いディスクに対してメモリ自身がその余裕の部分をキャッシュとしているのも普通。ひとえにスピードの為に先行制御をかけているということ。

メモリ

日本語では、主記憶装置と訳される。プログラムは携行できる記憶媒体であるフロッピーやCDによってパソコンの中の記憶媒体であるハードディスクにいったん格納される。その上で、プログラムはハードディスクからメモリに送られ、メモリの上でCPUにより「実行」される。プログラムの中にある命令やデータはCPUに送られて、ひとつずつ処理される。私のCPUは32ビットで400MHzだから、32個の情報列の組み合わせ、すなわち43億種の違いを判別して、秒4億回のタイムテーブルの上でひとつずつ「実行」していることになる。メモリはこれについていけないので、さしあたり使われそうな命令やデータをあらかじめ、キャシュに入れておいてCPUに送り込んでいる。

記憶の取り出しの速さを人の作業の速さと記憶媒体のコストに合わせているともいえよう。フロッピーディスク、ハードディスク、メモリ、2次キャシュ、1次キャシュ、と早く、同時にコストも高くなっていく。もっとも、30円から3万円としても、LSIチップは1000倍のコストですんでいるのでお値打ちになっている。次々とカード形式の新しい記憶媒体が出てくる所以だがはたしてどれが世界標準になるのか?

メモリは電源を切ると記憶を全て失う。 私のは64メガバイト(MB)で、32ビット(b)のCPUに対応している。CPUのアドレスを振る能力は32ビット長で、232=2×210×210×210であるから、4ギガバイト(GB)のメモリが付けられるのだが、コストパフォーマンスから上記の方法により64MBで販売されている。能力の600分の1だ。いちどに複数のアプリケーションソフトを使いイラツクようなら「作業机」を広くする感覚で256MBまで増やすこともできるがそれでも16分の1だ。写真を扱うなら32MB以上は必要だが、テレビのような動画のやり取りは、ディスプレイの能力とモデムによるダウンロードの時間とコスト(電話代)の限界によりパソコンでできないので、ハードディスクを8.4ギガバイト(GB)と大きくして、いざとなればメモリの援用とすることで落ち着いている?

ハードディスク

メモリに対し補助記憶装置と訳されているが、これはおかしい。電源が切れても記憶の消えない、自由に書き込み・消去ができるディスクがパソコンの中に入っていてこそパソコンといえる。81年、ビル・ゲーツが他人の作ったのを買ってIBMの16ビットPCに売り込んだパソコンのOS(管理のためのオペレーティング・システム)「MS-DOS」のDOSとはディスク・オペレーティング・システムの略である。その後のマイクロソフト社(MS)の攻勢はこの8MBのソフトのライセンス料によるものだ。ハードディスクの管理こそ、パソコンにいろいろな仕事をさせることの基礎になっている。

ハードな箱に入っているディスクは大変もろいもので一番壊れやすいものである。テープレコーダーと同じように、磁性を帯びたプラスチックの円盤を高速で回転させ磁気ヘッドで読み取るものである。フロッピーディスクと原理は同じというより、フロッピーを固定したものでこの10年の間に高速化・高容量化が進んだ。10年前のノートパソコンはは今のMOのように外付けで利用していた。一太郎・花子・ロータス1-2-3ではフロッピーの容量でよいし、パソコンは大型コンピューターの端末として利用が中心であったので80メガバイト!なんて言って感心していた。当時のフロッピー(720KB)110枚分ですから。今使っている私のパソコンのハードディスクは8.4GBであるので、なんと今のフロッピーディスク(1.44MB)の5,800枚分になる!3ミリ厚のフロッピーを積み上げたら17.4M。5階建ての建物高さに匹敵する。人間的尺度で表現にしないとわからない私です。

フロッピーディスク

3.5インチ=9センチの直径の[2HD]1.44MBしかないと言っていい。私のパソコンはNECなので昔フォーマットした1.25MBも[2DD]720KBも使える。「フォーマット」もしくは「初期化」は初めてワープロを買った85年には何のことやら?片面に80個の同心円がレコードのようにあり(トラック)、それがセクタと呼ばれる単位に区切られている。ワープロメーカーによってこれが違っていて「初期化」が必要であった。したがって、互換性はなかった。今は、アップル社のわずかなもの以外全て互換できる。

1キロバイトをセクタの単位としてメモリとやり取りするので、ワードや一太郎の容量を示す単位はKBとなる。1000B ÷ 2B(漢字をもつ日本語は16ビット必要なので)=500文字入るはずだが、一文字でも1KBとなってしまうことがフロッピー管理に必要な知識だ。自由に読み書きできるということはひとつながりの情報がセクタを飛び越えて存在するということ。それを繋ぎなおすためにDOSが必要であったし(ウインドウズ95はDOSの上でなく、単独で成り立つOS)、またディスクを全て回す時間も必要になる。

1.44MGをウインドウズのメモのような文字だけの情報で換算し紙の情報と比較すると、岩波新書は一冊1.5万字=300キロバイトなので、岩波新書5冊分に相当する。これではいくらワープロを打ってもフロッピーは埋まらないはず。あなたはフロッピーをダダクサに使っていませんか?

もう3.5インチのフロッピーは10年もっている。パソコンの世界では珍しい超寿命ツールだ。互換性の保持が如何に重要かの査証であろう。安いしね。

CD-ROM

 80年代後半、直径5インチ弱の銀色のプラスチック盤(コンパクトディスク)がレコードを駆逐した。レーザー光線で読み出す専用メモリ(Read Only Memory)としてパソコンに今やなくてはならないものだが、当時のパソコンではそんな情報量は夢物語に感じられた。650MB。1.44MBのフロッピーディスクの450倍、当時のフロッピーでは900枚分にもなった。岩波新書換算では2000冊となる。本屋の一間幅の棚の前で、天井まで全部の本に相当する!と感じてみてくだされ。なのに、売価は百何十円とかだそうで、いまや雑誌の付録でついてくる。書き込みができないことが今の重いソフトの配布にはかえって便利で、普通人には書き込み自由(Random Access Memory) のフロッピーと合わせてパソコンにこれらのドライブが組込まれておれば必要十分。

音のデジタル化について。CD並に音を拾うとすると1秒間に44,100回 (44.1KHz)サンプリングし、それぞれを16ビット(=216=65,500種)の区分け情報で識別する必要がある。
一秒間のデジタル情報としては705Kb(44.1K×16b)=88,2KB これをステレオにするので、2倍で176KBとなる。
フロッピー4MBでは8秒しか入らないが、540MBのCDーROMには51分はいる。画像処理が私たちの仕事ですが、その前に音で2進法の計算になれましょう。

ラジオ並にすれば22.05KHz/秒で8ビット与えればよい。インターネット添付ファイルのネチケットの1メガバイト(MB)をこれにあてはめると45秒ぶんになる。1分を超えるボイスメールはやめましょう。
電話並でよいとすれば、11KHz/秒で8ビット与えればよい。音質は実に明快に数字で表現される。このような事から人間の感覚のデジタル化が急速に進んでいるが、恋しい人は電話でもいきいきと聞こえるし、ワープロ作業中はサミュエル・レイミーでもうるさいと茶々を入れたくなる私です。

MO(光磁気)ディスク、 フラッシュメモリー

フロッピーではとても足りないと、図面・写真ような大容量を自由に書き込みができる記憶媒体として私たちは利用している。やはりダダクサな使い方で完璧に埋めることもないので128MB、230MBを「安いから」と使っているが、640MB、1300MB(99年)というのもある。640MBの外づけドライブはちょっと高くても128MB、230MBも読み取れるので会社も積極的に入れるべきでしょう。メディア単価は900円だが1MBあたりは1.4円になるのできちんと管理ができるなら私たちにむいていると思う。

 リムーバブルメディア(可搬性のある大容量記録装置)は、まだ世界標準がない世界であり、MOと同じように、SCSI(スカジー)インターフェイスによりごろっと付けざるをえないが、CDの方ではCD―R(書き加えるだけの追記型)CD-RW(書き換え自由、650MB)。DVD(デジタルビデオディスク)ではDVD-RAM(5200MB)がある。DVDは2時間の映画もOKで、いままでのCDも同じように読み取れる。こうなってくると普及の鍵は放送メディアになろう。多チャンネルのデジタル放送とのソフトの勝負でインターネット系が勝てればその映像用記憶媒体として一気に広まるであろう。今はビデオの画質と時間にパソコンは電話回線によって勝てない。デジタルな映像は家庭用ビデオ機を押さえ、95年からはデジカメが銀塩写真をおびやかしはじめている。これらのパソコンへの取り込みにはフラッシュメモリ(不揮発性=電源を切っても内容が消えない半導体)と言うチップが使われている。4MB(3300円)から64MB(20000円)とあるが外形は同じなのが半導体らしい。書き込み速度最大1.5MB/秒、読み出し速度最大2.45MB/秒。これらに比べるとフロッピーは安いが時間がかかる。そこでの10秒に、いらつかないことよ!

ディスプレイ

やっと私の知りたかったヴィジュアルな話題に入ってきた。ノートパソコンは11インチで800×600のドット(点)、デスクトップパソコンは14インチで1,024×768のドットで画面表示してくれている。14インチというのは対角線で表しているので、横285mm×縦214mmのなかに1,024×768=786,432の点が並んでいることになる。ドットのピッチは0.28mmとなるのでこれ以上の細かい点を計算してもディスプレイは表現してくれない。このディスプレイの解像度の限界を知ってパソコンに向かわないと、スキャナー・印刷・デジカメなどとの画像をやりとりに失敗する。

私の1,024×768の14インチ液晶では、200万画素のデジカメ画像1,600×1,200は大きくはみ出るのでスプロールしなくてはならないが青木の21インチのウン管では一枚で見える。青木はふだん1,280×960で使っているので設定を切り替えないとやはりはみ出てしまうが。15インチの液晶はどうなのかな?

 実は私のうちのテレビは14インチ。ビデオを静止画像にしてパソコンと比べてみると320×240レベルにも達していない。テレビは1025本の走査線のはずだが走査線と水平解像度で使う400本とは違うようだ。カタログを見るとデジタルビデオは500本を争っているがこの何本と言う単位がよくわからない。14インチの液晶は17インチのCRT(ブラウン管方式のディスプレイ)に相当すると言われているがこの理由もわからない。 動く画面は人間の目では追いきれない。VGAサイズと言っているのでビデオは640すなわち30万画素なのでしょう。ソニーの最新ビデオカメラの100画素は30万画素のCCDを光の3原色に合わせて3個用いて色の深みを増すため使っている。320の画面サイズ

(7万画素)はインターネットの静止写真で用いられ、160の画面サイズ(1.7万画素)はインターネットの動画ビデオに用いられている。いずれも情報量を減らして電話回線でのやり取りの時間を待つのにいらつかないようにする為のようだ。いくらパソコンの性能を上げても通信手段の改革がない限りパソコンはテレビには勝てない。

写真・ビデオを32ビットのパソコンで素人編集をするのはたやすくなったが、それはずっとレベルの低いディスプレイの解像度の上でしか見ていないことを理解していなくてはならない。美しさを求めるなら、パソコンより静止画では銀塩写真、動画ではテレビが勝っている。映画は金をかけ大型コンピューターを用いてとんでもない位置にいる。画像のためにはとてつもない情報量が必要になるということ。それを2進法で検証してみよう。

フルカラーとは、24ビット、1678色。デイスプレイの発色能力からネットは256色。

GRB(緑・赤・青)方式と言って、パソコンのカラー化ではドット(点)にどれだけ情報量を与えるかによって色の美しさが変わる。
ドット一つに2進法で0か1かならば、白か黒の単色となる。すなわち画面のドット数が即情報量となる。新聞の写真だ。
光の3色一つずつに1ビットを与えると2=8色が表現される。

原色の一つずつにメモリの基礎単位1B(=2)割り当ててパソコンではフルカラーと言っている。正確には24ビットカラーである。2×2×2=224=1678色である。
デイスプレイの発色能力からは一つのドットに256色=2=1Bで十分であり、インタネットでは256色ですましている。

解像度
というのがパソコン入出力機器のカタログでは目玉になっているが、ドット、ピクセル、画素にdpi. ppi. と単位がバラバラで解像度をより分からなくさせている。いずれも表示能力もしくは読み取り能力を「点描画の点の密度」で示しているもので、カメラの知識で言うところの色の発色性能ではない。光学カメラではフイルムの大きさは35mmとして、レンズやフイルムの色の再現性能が話題の中心になっているのに比べ、パソコンの世界は「うちのは大きなフイルムですので解像度が良くきれいです。」と言っているようなもの。発色能力は上記したように色は2=8色から224=1678万色まで8倍の情報量の範囲の中でデジタルに決まってしまっているので、きれいなのはそのぶん再現に時間と金が必要になる事を体感してデジタル情報量を操れないといけない。

ピクセル(pixel)
とはドット(点)に発色能力を意識した時に用いるもので日本語では画素と訳した。本来同じ物のはずだが、インクジェットプリンターはインクの粒の減色により色を作るので粒=点=ドットとなる。画素はもっぱらデジカメの撮影素子CCDの単位に用いられている。カタログでピクセルの数と一致しないのは光をCCDによりデジタル情報に変えてメモリに移す時有効な部分が減ってしまうからである。dpiとはdot/inch。ppiとはpixel/inch。25.4mmの中に点がいくつあるかを示す密度の単位。同じ大きさの画面では密度が濃いほど解像度が高くきれい。が再現に時間がかかる。
液晶のこのディスプレイは0.28mmの間隔でドットが並んでいて、90dpiとなる。スキャナーで読み込んでもこの数字以上の解像度はこのディスプレイでは無駄であると言う事。よく72dpiが使われているのも同じ理由である。CRTも液晶も自身が光るので反射光による写真に比べ密度が低くてもきれいに見える。動画ならなおさら。

ビデオメモリー(VRAM)
とはCRTは一秒間に30コマ同じ画像を光らせないとちらついて見えるので、表示の為に情報を一時格納しておくメモリのこと。このメモリの大きさもディスプレイの解像度を決めていると言える。情報量が多いきれいな画像もメモリに入りきらなければ表示できない。

ビデオメモリーの容量が写真の情報量の多さを示している。このディスプレイのドット数でフルカラーにしたら一枚のフィロッピーに入らない。200万画素のデジカメではメモリに何枚も撮りだめできないはずだよね。

jpeg(ジェーぺグ)。
Joint Photographic Expert Group の略。写真のファイル名の末尾に小文字でついてくる「拡張子」でおなじみのファイル形式。画像ファイル形式は他にも、bmp  eps  gif  mac  pcd  pic  tiffなど処理ソフトウエアによっての独自のファイル形式があるが、ジェーペグは写真の情報量を圧縮する国際標準方式である。圧縮することにより10倍ぐらいは入るが、圧縮のないBit Map Fileの方が画像はきれいだ。ついでに、動画(Moving Picture)ではmpegというのがある。350×240のCD用の1から情報量の多い順に4まである。

89年に設計部インテリジェント室の三上室長はどこからかNECの最新ノートパソコンを仕入れてきて「これからは、こうやって設計をするのだ。」と800×600の白黒液晶に花子でオフィス家具のレイアウトを自ら書いていた。白黒は2なので、800×600/8/1024=59KBになる。 今(2000年)この画面は2.3MBなのでこの10年間に39倍になったことになる。アプリケーションソフトの重さも、クロック数も、メモリ、通信速度も同じように数十倍になった。CPUのLSIの集積密度だけは一桁違い数百倍になっている。多くのボタン(シェル)を操りながらサクサク書けれるようひとえにスピードのためのこの10年でした。まだまだ遅い?

スキャナー、デジカメとプリンター(インクジェット方式)

スキャナーでパソコンに入力してプリンターで出力するぐらいなら、カラーコピー機(レーザープリンター)を使った方がたやすい。2進法もいらない。ベクターワークスでなぞるための下撮りかデジカメのカラー出力でしかインクジェットのプリンターを利用していないが、Photo Shop などの画像処理ソフトを使って表現の幅を広げれるように数字に少し挑戦してみよう。ディスプレイの記述の中にもこれらの機器の数字を意識的に混ぜておいたが同じdpiの単位でも意味合いが違う。

プリンターの1440dpi
は6ピコ(1兆分の6)リットルのインクの粒でなめらかに表現できる最小の升目を表す。印刷物のハイライト部分や中間部分は25.4mm/1440=0.017mmまで区別してインクを吹き付ける。150万画素のデジカメ写真を専用プリンターで出力すると、306×306dpiの印刷解像度によりはがきサイズまできれいに印刷してくれる。それ以上になるとインクの粒々が見えてくる。私の1440dpiはA4までは十分に応えるし、はがきサイズなら250万画素(1800×1400)も十分表現できる。インクの粒は3種類の大きさがあり印刷の速さ損なわないように粒の大きさを自動的に使い分けてくれる。写真の輪郭補正なども解像度の変換を自動的にやり処理してくれる。プリンターの中のCPUが銀塩写真のアナログ表現に近づくように働いている。

画像デ-タの解像度と印刷の解像度のめやすカタログから取り出すと。

  A4版をフルカラーの画像データ-で写真なみに印刷しようとすると出力だけで5分かかる。いくつか試してみて、時間とコストの兼ね合いを見定める必要があろう。インクでの色作りも「色の3原色」によるから、印刷のドット3個で画像データ1個と思っていたが、インクも5色使ったりしてかなりアナログ的だ。半分くらいが目安のようだ。画像データを90,180,240,360にするとシャギー(輪郭のギザギザ)が目立たないとも書いてあった。

CMY方式
とは「色の3原色」による発色方式を示している。C;シアン青色、M;マゼンタ赤色、Y;イエロー黄色。あたった光のうち一部の色を吸収し、残りを反射することにより色を表現することをスキャナーとプリンターでやっていて、途中をパソコンのRGB方式「光の3原色」のディスプレイで色チェックしてもこれは根本的に合うはずもない。銀塩写真でも美しさを表現するものであって、ありのままを写し取るものでない。フィルター代わりに画像処理ソフトを十分使えるようにしよう。

スキャナーは主走査600dpi,副走査1200dpiの解像度
を持つCCDラインセンサをスキャン(走査)させて5100×7020の最大有効画素をA4版216mm×297mmの領域の中で読み取る。階調も8bitでなく12bitで入力する。出力は8bitで50~4800dpiまで指定できる。とてもディスプレイではこの細かさはわからないし、プリンターもついていけない。
出力機器の解像度に合わせて自動的に読み取った画像データを画像ファイルの解像度(出力解像度)にしてくれる機構もついている。入力解像度と出力解像度を一致させたいときはズームの設定は100%。自動露出、カラー調整、濃度補正、イメージ制御なども内部のCPUがやる。

デジカメの場合、画像ファイルの画素数=解像度と印刷サイズの関係を前もってしっかり把握しておかないとコストと時間が無駄になる。
画素数はアプリケーションソフトで調整しない限り印刷サイズを拡大/縮小してもその数は変わらない。つまり、画素数のすくない画像データを大きなサイズに印刷すれば、画像を構成する点(ドット)も大きくなることで解像度は低下し、好ましい画像品質は得られない。逆に、画素数の多い画像データを小さなサイズに印刷すれば、解像度はあがるが、印刷時間がかかるだけで見た目には画像品質の向上は人の目に識別できない。
新婚時代のテレビはソニーの10インチだった。画像がすごく奇麗だった。ソニーだからでなく、走査線が同じなら、ブラウン管が小さいほど奇麗となるのは道理である。

カタログの寄せ集めですが、○でも十分と私はみました。スキャナは読み取るのに時間がかかるので嫌われているが、オーバースペックで読み取っているところもあるようですね。

モデム
電話回線を使ってパソコン通信ができるように、0と1の方形波とアナログ波を変換する装置。85年、私は大阪支店から山尾さんに「遅い!こんなもので企画設計と言えどもできないぞ。」と言っていたころの通信速度は1200bps。bpsとはビット/秒。今の私のパソコンは読み取りで、56Kbps。発信で33Kbps。15年も経つのに40倍程度とはパソコンでの画像処理が増す中、なんとも情けない。専用線でも128Kbps?
1MBは8000Kbpsであるので、1MBをプロバイダーのサーバーから読み出すのに8000/56=143秒かかるということだが、実際は2分でなく10分があたりまえ。サーバーが多くの客に同時に均等に配信すると遅くなるのだ。 次の渡辺君のテーマにうまく結びついたところで私の項はひとまず終わりにさしてください。パソコンを買って3ヶ月たちましたが、やっとここまでです。

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