名城公園に建つ愛知国際アリーナ(IGアリーナ)は違法です。都市公園法より、

IGアリーナ (愛知県新体育館)

都市計画法53条・54条の許可申請、都市公園法2条、4条、16条

私が「違法です」と説明するときに使うビラ、A4版一枚から

都市公園法での三つの違法「建物用途、建蔽率、代替公園」と、風致条例の「名古屋城と合致する風致、建物高さ10m以下」の違法の4つが書かれていますが、その前に都市計画法53条・54条の許可申請もあります。説明がわかりにくいので、あえてビラには入れていませんでした。
現場の仮囲いにあるお知らせ看板(右上)を、2021年8月24日「工事説明会」に配られた資料(左下)と比べれば一級建築士ならすぐに違法であることがわかりますが、専門用語ばかりですので、ここでは少し長く、回りくどく説明します。
右下に示した「川名公園5.5haを作るのに、50年200億円かかった」ことも、市民運動には必ず必要です。大村知事、河村市長がアリーナ建設で名城公園の青空をなくした、その大罪を示す具体的な罪の数字です。

私が「愛知国四阿アリーナは違法です」と説明するときに使うビラ。A4版一枚。

ビラの上の5行が重要です。2021年8月24日に「工事説明会」が行われたのを西区の加藤さんから聞き、名古屋市住宅都市局にあくる25日に行き「こんな違法建築などできはしない。」と詰め寄ったら「説明会があるなど聞いていない。大村知事が熱心なだけで、8月5日に瑞穂運動場と共に名城公園もスポーツ・レクリエーション地区に指定したが、瑞穂は1年前から絵をかき住民縦覧もしているが、名城公園のアリーナの絵は何も持っていない。」でした。緑政土木局も同様でした。

2019年8月に名古屋市総務局は、愛知県が作った案によりタウンミーテイングなるものをおこなったのですが、建物用途は多目的イベントホール(会場での説明)ですので、第二種住居地域、公園に建てられませんし、建物高さ、建蔽率も公園指定のままでは違法建築となることは、住宅都市局は十分承知していました。

そして、瑞穂公園のような都市計画変更のマスタープランを、名城公園では作っていません。

総務局はしびれを切らしてか「工事説明会」と縦割り組織を生かし、住宅都市局に断らず突進したのでした。「工事説明会」ということは、設計者が名古屋市との協議、許可手続きを済ませて<名古屋市がこのアリーナを名城公園に作ることを認めた>となります。河村市長がどんな許可を出したかはわかりませんが、担当部局の住宅都市局は「工事説明会」のこの時には、このアリーナを認めていなかったのでした。

8月30日、愛知県スポーツ局競技・施設課新体育館室の室長補佐に、8月25日の高橋の名古屋市都市計画課総括係(都市計画審議会窓口)建築指導課調査係(建築審査会窓口)との打ち合わせ記録を持って話を聞きました。彼は、「名古屋市総務局総合調整室が市を代表してあり、そこから都市計画課、建築指導課に話をしており、都市計画課、建築指導課が住民説明会を知らない事はあっても、愛知県新体育館の事を知らないとは、名古屋市総務局総合調整室から調整内容を聞いているのでありえない。」でした。高橋は「県は名古屋市総務局総合調整室に騙されているのではないかと、お節介で都市計画課との記録を持ってきました。愛知県建築指導課にこの記録を見せて、県は確認した方が良いです。」
これが、ききすぎたようで名古屋市建築指導部は9月にスポーツ・レクレーション地区の条例を作っていました。(地域地区による建物用途制限ですので、ここでなく、後述します。)

20210825アリーナを聞きに、市役所にい

名古屋市は総合公園を6つ持っていますが、東山・天白など郊外にあるもので、都心の公園は名城公園21haと鶴舞公園24haしかありません。市民の基幹公園ですのに、西区と北区だけの近隣「工事説明会」で済ませるのは間違っています。
2019年8月愛知県案に基づき、名城公園の緑を潰してよいのかを有識者を集め、議会で議論をすべきでした。名古屋市都市計画審議会は以下のように有識者と議員で構成された20人ですが、2021年8月5日の都市計画決定では、瑞穂公園のマスタープランしか見ていません。そして、名城公園の名古屋市のマスタープラン<愛知国際アリーナを名城公園の中に位置づける>は今もないままです。

結論から言いますと、名古屋市都市計画審議会は名城公園のアリーナを、2019年8月以来、議題にあげておらず、名古屋市はアリーナを名城公園に作ることを今も認めていません。目の前で工事をしていても、その工事が審議会の怠慢により違法のままの工事である事に気づいていない、あるいは気づいていないふりをしている委員なのです。
前田建設工業の設計者が名古屋市都市計画審議会に許可申請を求めたなら、2022年1月24日の名古屋市建築審査会の委員の意見と同様に、委員は「違法であり、建設を認めない。」としましょう。よって審議会の窓口を務める名古屋市都市計画課は「審議会の議題に持ち上げない。」のだと思います。「申請がされていないのだから、良いも悪いもない。都市計画課は関係ない。」は、木造天守でも使われた住宅都市局の役人の論理です。
しかし、公僕ですので河村市長の指示に逆らっても「木造天守は危険だから作れない。」「アリーナは都市計画に反している。公園には作れない。」と市民に説明しないといけません。市役所にはタテ割り組織病にかかった病人しかいません。
このように違法と脱法の塊の愛知国際アリーナの私の説明は、まず法を述べて、次に役人の脱法行為を書きます。

都市計画法53条・54条の許可申請

「都市計画施設」が何を指すのか、皆さんにはわからないでしょうが、名古屋市のホームページでは「都市公園に建つ建物は」と、わかりやすく書いてくれています。「地下無しの2階建て以下」であるならば問題ないが、でないならば「許可申請」をしなさいです。平成30年には「3階建てでもよい。」と通達をだしています。
許可申請の窓口は、住宅都市局都市計画部と建築指導部です。総務局でも緑政土木局でもありません。 アリーナ(屋内観覧場)は、6階建て高さ41mですので許可申請が必要なのですが、許可を名古屋市都市計画審議会から得られないので、そうです、河村市長が許可を出すには名古屋市都市計画審議会の賛同がいるのです。「河村市長がこっそり許可を出していたのだ!」ということはありません。そこは専制国家でないのですが、市民が、審議会委員が都市計画法を知らないことを良いことにして、住宅都市局は前田建設工業に申請をさせなかったのでしょう。ただし、建築主事の(株)日本ERIはこの法を知っています。建築基準法の集団規定が満たされていないのに、どうして確認申請をおろせたのか。私ににはわかりません。
瑞穂公園の陸上競技場は高さ31mですし、白川公園の科学館も高さ31mですので、公園内の運動施設、教養施設は許可申請によって4階建て以上もたちます。しかるに「申請がされていないのだから、良いも悪いもない。都市計画課は関係ない。」です。これを脱法行為と言います。

この都市計画法53条・54条を知る一級建築士はまずいません。公園に3階以上の建物を建てることなどありませんから。
「地下無し2階以下」が不思議な表現ですね。これは「容易に移転、除去できるものに限る。」建築であることを示しています。都市計画施設の規定、都市計画法11条をピックアップしておきます。
その中に公園、緑地があります。公園、緑地は都市の密集地の中で青空を確保するためにあるものであり、基本的に建築を認めないものです。公園内にあるように見える体育館(屋内観覧場)も、東京都体育館のように、実は公園の範囲から外されていることが多いです。

(定義)
第四条 この法律において「都市計画」とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で、次章の規定に従い定められたものをいう。
 この法律において「都市施設」とは、都市計画において定められるべき第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。
 この法律において「都市計画施設」とは、都市計画において定められた第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。

(都市施設)
第十一条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設を定めることができる。この場合において、特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。
 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二 公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
 水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
 河川、運河その他の水路
 学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
 病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
 市場、と畜場又は火葬場
 一団地の住宅施設(一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
 一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
 一団地の都市安全確保拠点施設(いつ水、たん水、津波、高潮その他の自然現象による災害が発生した場合における居住者等(居住者、来訪者又は滞在者をいう。以下同じ。)の安全を確保するための拠点となる一団地の特定公益的施設(避難場所の提供、生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供その他の当該災害が発生した場合における居住者等の安全を確保するために必要な機能を有する集会施設、購買施設、医療施設その他の施設をいう。第四項第一号において同じ。)及び公共施設をいう。
十一 流通業務団地
十二 一団地の津波防災拠点市街地形成施設(津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第二条第十五項に規定する一団地の津波防災拠点市街地形成施設をいう。)
十三 一団地の復興再生拠点市街地形成施設(福島復興再生特別措置法(平成二十四年法律第二十五号)第三十二条第一項に規定する一団地の復興再生拠点市街地形成施設をいう。)
十四 一団地の復興拠点市街地形成施設(大規模災害からの復興に関する法律(平成二十五年法律第五十五号)第二条第八号に規定する一団地の復興拠点市街地形成施設をいう。)
十五 その他政令で定める施設

都市公園法2条 都市公園法は都市計画法の子 公園に建てて良い建造物

いきなり、法文をピックアップします。「都市計画法の子」は定義としてあります。公園に建てて良い建造物も明快です。「運動施設」は公園に建てられますが、「観覧場」は公園の環境を害するので建てられません。「観覧場」の定義も愛知県基準総則から引っ張りだしました。

(目的)
第一条 この法律は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「都市公園」とは、次に掲げる公園又は緑地で、その設置者である地方公共団体又は国が当該公園又は緑地に設ける公園施設を含むものとする。
 都市計画施設(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第六項に規定する都市計画施設をいう。次号において同じ。)である公園又は緑地で地方公共団体が設置するもの及び地方公共団体が同条第二項に規定する都市計画区域内において設置する公園又は緑地
 次に掲げる公園又は緑地で国が設置するもの
 一の都府県の区域を超えるような広域の見地から設置する都市計画施設である公園又は緑地(ロに該当するものを除く。)
 国家的な記念事業として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため閣議の決定を経て設置する都市計画施設である公園又は緑地

 この法律において「公園施設」とは、都市公園の効用を全うするため当該都市公園に設けられる次に掲げる施設をいう。
 園路及び広場
 植栽、花壇、噴水その他の修景施設で政令で定めるもの
 休憩所、ベンチその他の休養施設で政令で定めるもの
 ぶらんこ、滑り台、砂場その他の遊戯施設で政令で定めるもの
五 野球場、陸上競技場、水泳プールその他の運動施設で政令で定めるもの
 植物園、動物園、野外劇場その他の教養施設で政令で定めるもの
 飲食店、売店、駐車場、便所その他の便益施設で政令で定めるもの
 門、柵、管理事務所その他の管理施設で政令で定めるもの
 前各号に掲げるもののほか、都市公園の効用を全うする施設で政令で定めるもの
米 政令 運動施設  令130条の6の2 318上第二種中高層住居専用地域及び工業専用地域内に建築してはならない運動施設  法別表第2(に)項第三号及び(を)項第七号(法第87条第2項又は第3項において法第48条第4項及び第12項の規定を準用する場合を含む。)の規定により政令で定める運動施設は、スキー場、ゴルフ練習場及びバッティング練習場とする

観覧席を持っていても、観覧させることを主たる目的としない施設は運動施設ですが、愛知国際アリーナは「屋内観覧場」であり運動施設ではありません。公園には建てられません。
瑞穂陸上競技場はプロサッカー Jリーグ:グランパスのホームとするので「屋外観覧場」です。ですので、愛知国際アリーナと同様に第二種住居地域・公園には建てられません。

●スポーツ基本法(平成23年法律第78号)文部科学省
スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、今日、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のものとなっている。
と、「するスポーツ」でしたが、スポーツ庁は2017年プロ化するスポーツの後押しをするようになりました。「みるスポーツ」「支えるスポーツ」です。プロバスケットのBリーグのアリーナ(屋内観覧場)づくりの後押しもしています。しかし、大村知事のアリーナを公園に作って、三菱ダイアモンドドルフィンズに差し出すのは異様です。

瑞穂陸上競技場は、特別用途地域:スポーツ・レクリーエション地区とし、廃道と地域地区の変更とあわせて、観覧場の緩和をし、建てられるとしました。グランパスの試合は年間10試合ほどであり、基本は教育委員会が主催する陸上競技場であり、運動施設ですので特別用途地区として緩和したのでした。

愛知国際アリーナの「屋内観覧場」はかっては「興行場」と言われていました。Jリーグの不特定多数への観覧席が問題となり「観覧場」と名前が変わったのですが、今も「興行場法」に定義はあります。

お金を取って営業することは定義にはないですが、集会室での映画が月5回以上とか、遊園地のパビリオンもとか頻度が書かれています。カラオケボックスなど「生活衛生課」ですので、風俗規制に通じるものがあります。建築基準法の建築用途制限では劇場、映画館、演芸場、ナイトクラブと同じ類であり、商業地域(近隣商業、準工業でも可)に建てるものとされています。

プロバスケットボールのチーム、三菱ダイヤモンドドルフィンズのホームとなる愛知国際アリーナは、他の7つの建設中のアリーナと同様に、ニューヨークの都心にあるマジソンスクエアガーデンを目指すものと、日経新聞にありました。当然、他の7つのアリーナは住居地域、公園にはありません。
アリーナ(屋内観覧場)は、ビールを片手に大声で贔屓のチームを応援する娯楽施設です。年間40試合ぐらいでしょうか。また、アリーナに壁と舞台を作り、劇場として使うともあります。公園にあってよい建物ではありません。周りの住宅街にとっても大変迷惑な施設です。ナゴヤドームの周りの環境が名城公園に移って来るなんて、許せるものではありません。
もっと、許せないのは「俺たちが知らない間に決まっていた。」です。知事と市長が言い出すと、もう誰も異を唱えらえないのでは、「民主主義」「法治主義」は名古屋にありません。

大村知事と河村市長はタッグを組んで、正面から堂々と、市民の公園を荒らす違法行為をしています。

都市公園法4条 建蔽率=建築面積÷敷地面積 は、2%以下

私が生まれた岐阜県本巣市(人口33000人)に都市公園「もとまるパーク」がこの8月にできました。写真で見るように周りは一面の田んぼです。1956年(昭和31年)に制定された都市公園法の都市とは、「地方公共団体が作る」の意味であり、都会を指していません。「もとまるパーク」は、東海循環の高速道路が本巣市をつらぬき田んぼを潰してサービスエリアを作ったのですが、そのサービスエリアの脇にそって作られたものです。ドッグランはサービスエリカからも利用できます。おおよそ都会らしいところのない本巣市ですが、この公園だけは都会らしいです。

日本には「公園」と名の付くのが多くありますが、日常で目にする公園は、市民の皆さんが集まる大きな総合公園、運動公園が基幹としてあり、住区では、地区公園(4ha)近隣公園(2ha)街区公園(0.25ha)が地域コミュニティと防災拠点のネットワークを形成しています。

鶴舞公園の奏楽堂・噴水塔は、1910年(明治43年)に、建築家・鈴木貞二(1870~1941)が40歳の時に作られました。公園は西欧文化のシンボルとして、建築家によって輸入されたのでした。

太平洋戦争において、日本の6大都市はアメリカ軍の空襲により焼き尽くされました。そこからの復興には、焼き尽くされたことを幸いにしようと、あらたな都市計画道路、区画整理事業が計画されました。1956年(昭和31年)の都市公園法もその一環で策定されました。

ただし、日本の都市に「住区基幹」としての公園の歴史はなく、あるのは寺社での遊楽でした。従って、日本伝統の山地遊楽から「緑地」という概念によって都市を包みました。

日本の伝統は、山に入り紅葉をめでて、川原に降りて酒歌を楽しむです。名古屋市の緑政土木局には「緑地部」はありますが「公園部」はありません。緑地の中に公園があり、名古屋の公園面積を探しても「緑地・公園面積」となります。

そして、目の前が焼け跡では、市民に都会の密集地の行き詰まり感もありません。このように都市公園法は生まれ運用されてきました。

西区の加藤さんが、総合公園である名城公園北園に愛着を感じず、大村知事と河村市長がタッグを組んで、堂々と都市公園にアリーナ(屋内観覧場)を作り、法破りをするのも確かに日本文化からなのでしょう。しかし、彼ら、大村知事と河村市長は明治以来の民を導く首長です。日本は「法治国家」です。私たちは「民主主義国家」として、首長の大罪をみのがしてはいけません。

「公園の本質は何か?」の為に前振りが長くなりましたが、「建蔽率2%以下」が本質です。「緑を荒らすな」「木を切るな」ではなく、公園には建築をしないこと、青空があることが公園の本質です。

広域防災拠点:防災拠点として防災公園の整備がされています。大きな青空があってこそです。「都市の防災機能の向上により安全で安心できる都市づくりを図るため、地震災害時に復旧・復興拠点や復旧のための生活物資等の中継基地等となる防災拠点、周辺地区からの避難者を収容し、市街地火災等から避難者の生命を保護する避難地等として機能する地域防災計画等に位置づけられる都市公園等について緊急的に整備を推進。」

都市公園法(公園施設の設置基準)
第四条 一の都市公園に公園施設として設けられる建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいう。以下同じ。)の建築面積(国立公園又は国定公園の施設たる建築物の建築面積を除く。以下同じ。)の総計の当該都市公園の敷地面積に対する割合は、百分の二を参酌して当該都市公園を設置する地方公共団体の条例で定める割合(国の設置に係る都市公園にあつては、百分の二)を超えてはならない。ただし、動物園を設ける場合その他政令で定める特別の場合においては、政令で定める範囲を参酌して当該都市公園を設置する地方公共団体の条例で定める範囲(国の設置に係る都市公園にあつては、政令で定める範囲)内でこれを超えることができる。
 前項に規定するもののほか、公園施設の設置に関する基準については、政令で定める。

都市公園法施行令(公園施設の建築面積の基準の特例が認められる特別の場合等)
第六条 法第四条第一項ただし書の政令で定める特別の場合は、次に掲げる場合とする。
 前条第二項に規定する休養施設同条第四項に規定する運動施設、同条第五項に規定する教養施設、同条第八項に規定する備蓄倉庫その他同項の国土交通省令で定める災害応急対策に必要な施設又は自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)に規定する都道府県立自然公園の利用のための施設である建築物(次号に掲げる建築物を除く。)を設ける場合
 前号の休養施設又は教養施設である建築物のうち次のイからハまでのいずれかに該当する建築物を設ける場合
 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定により国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物若しくは史跡名勝天然記念物として指定され、又は登録有形文化財、登録有形民俗文化財若しくは登録記念物として登録された建築物その他これらに準じて歴史上又は学術上価値の高いものとして国土交通省令で定める建築物
 景観法(平成十六年法律第百十号)の規定により景観重要建造物として指定された建築物
 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)の規定により歴史的風致形成建造物として指定された建築物
 屋根付広場、壁を有しない雨天用運動場その他の高い開放性を有する建築物として国土交通省令で定めるものを設ける場合
 仮設公園施設(三月を限度として公園施設として臨時に設けられる建築物をいい、前三号に規定する建築物を除く。)を設ける場合
 地方公共団体の設置に係る都市公園についての前項第一号に掲げる場合に関する法第四条第一項ただし書の政令で定める範囲は、同号に規定する建築物に限り、当該都市公園の敷地面積の百分の十を限度として同項本文の規定により認められる建築面積を超えることができることとする。

長い法文ですが、太文字だけ拾ってください。2%以下が建蔽率の基本ですが、地方自治体の条例によって緩和ができるとあります。また、都市公園施行令では「休養施設」「運動施設」「教養施設」「備蓄倉庫」ならば建蔽率は10%以下です。

瑞穂陸上競技場は「運動施設」ですので、建蔽率は2%以下でなく10%以下です。しかしながら、昭和16年に作られていた陸上競技場はすでに建蔽率16.7%でした。今回、さらに観客席の増大を目指すには、現状の敷地のままで建蔽率を法的に満足させなくてはなりません。
瑞穂公園マスタープランを作り、都市計画変更の手続きに4年かけました。6つの敷地に分かれてあったのですが、陸上競技場の敷地を廃道によって川の北の敷地と一体としたのです。

さらに、条例で定めないといけないので、2022年10月に「名古屋市瑞穂公園条例の一部改正」を行い、建蔽率を10%から18%に変えました。かなり無理筋な手法ですが観覧席の増が満たされる市内に広大な敷地があるわけけなく、住民縦覧を行い、名古屋市都市計画審議会を通し、議会で条例にしています。

一方、名城公園のアリーナ(屋内競技場)は、2021年12月13日に、(株)愛知国際アリーナから河村市長あてに、名古屋市風致地区内建築等規制条例第3条の規定により「通知書」が提出され、それを緑政土木局総務課が収受しています。
緑政土木局緑地部緑地管理課が「都市公園法」に従い公園を管理しているのですが、この「通知書」には、建蔽率17.5%とあります。都市公園法に違反しています。瑞穂公園のように条例に至るまで4年の作業をすることなく、2022年7月に「着工」しています。

アリーナの建築用途は「観覧場」であり、公園には作ってはいけないのですが、「運動施設」だとしても、建蔽率は10%以下でないといけません。これほど明確な、建築基準法の集団規定違反があるのに、(株)日本ERIがどうして確認申請をおろしたのか、私にはわかりません。

都市計画法16条 公園を潰すには「公益上の必要」の議論があり、潰した公園面積相当の公園を他に設けないといけない。

私はアリーナは「運動施設」でなく、猥雑な「屋内観覧場」であり、公園を潰していると書いてきました。それらを忘れても、建蔽率17.5%は「都市公園法」に違反です。一方、都市計画法53条・53条によって、(株)愛知国際アリーナと前田建設工業の設計者は名古屋市に対して許可申請をしないといけません。その審議は名古屋市都市計画審議会において都市公園法、風致条例にもとづき行われましょう。そこで都市計画法16条です。
建物用途が「運動施設」か「屋内観覧場」か、からの建設制限でなく、そもそもこの施設アリーナが、この公園内に作るのが「公益上の必要」があるかどうかの議論がされないといけません。河村市長の「二の丸の体育館は名城公園の野球場に出ていけばよい。二の丸には江戸村を作る。」という、ボラ話でなく、「都市計画100年の計」から、有識者、議員が「公益上の必要」の議論をし、市民にその経緯を明らかにするのが、民主主義です。河村市長のボラ話に悪乗りした大村知事のこのアリーナは名古屋には「民主主義」がないことを示しています。まったく、首長のおかげで、アリーナは恥ずかしい名古屋の象徴となりました。

(都市公園の保存)
第十六条 公園管理者は、次に掲げる場合のほか、みだりに都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止してはならない。
 都市公園の区域内において都市計画法の規定により公園及び緑地以外の施設に係る都市計画事業が施行される場合その他公益上特別の必要がある場合
 廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合
 公園管理者がその土地物件に係る権原を借受けにより取得した都市公園について、当該貸借契約の終了又は解除によりその権原が消滅した場合

川名公園は昭和27年に都市計画で指定され、土地収用に50年かかりました。5.5ha に200億円です。
名城公園の5haを潰すのは一瞬ですが、新たに公園を作ることは大変です。
デストロイヤー河村たかしと元副市長が言ってました。壊すだけで後の面倒はみれないと。

広い芝生が、川名公園の売りです。芝生は管理が難しいのですが、まぁ、ぺんぺん草でも良いとしましょう。
都市計画道路153号線(飯田街道)のルートに合わせて木造家屋の密集が壊されました。

このブログは、名城公園に建つ愛知国際アリーナは違法です Illegal Aichi Arena からはじめています。名古屋の歴史から公園の大切さをまず書きました。

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